英検5級は、多くのお子様が英語の学習を始めてから最初の目標とする級です。中学初級程度の英語力が求められる試験で、基礎的かつ重要な内容が出題されるため、中学校で学んだ英語が定着しているかをチェックしたい方や、小学校低学年や就学前の早期から英語学習を始めている方など、幅広い目的で受験されています。
この記事では、英検5級に合格するための勉強法や、リーディング・リスニング・スピーキングの各セクションの対策について紹介します。お子様の英検5級の受験予定がある方や、試験のレベル感を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
英検5級の試験概要
英検に合格するためには、試験内容や問題傾向、試験時間などを事前にきちんと把握しておくことが欠かせません。まずは、英検5級の試験概要について見てみましょう。
試験日程・所要時間
はじめに試験日程・所要時間についてです。英検は年に3回実施されます。試験日は年によって異なりますが、通常6月、10月、1月に一次試験が、各翌月の7月、11月、2月に二次試験が実施されます。
英検5級の所要時間は、一次試験が筆記25分、リスニングが約20分の45分です。また任意でスピーキングテストの受験も可能で、受験する場合の所要時間は約3分です。
検定料(2024年から値上げ)
日本英語検定協会は、2024年度から検定料を値上げすることを発表しました。具体的には、英検の5級ではこれまで3,900円だった検定料が、2024年度の試験から4,100円に値上げされます。
ただし、英検5級で値上げされるのは、本会場の試験に限ります。英検の試験会場には本会場と準会場があります。本会場は主に個人受験向けの会場で、準会場は学校や塾、企業などの英検協会が認めた団体が設置する試験会場です。
今回の値上げは、本会場の試験に限られ、準会場で受験する場合の価格は据え置きとなります。英会話教室であるイングリッシュワールドも準会場として認定されているため、生徒の方は従来通りの3,900円で受験が可能です。
内容
英検5級は筆記とリスニングによる一次試験のみで合否判定が行われます。内容としては、家族や食事、天気、自己紹介など身近なテーマが出題されます。
なお、英検5級では任意でスピーキングテストも受験可能です。ただし、これは一次試験とは別の新しいテストとなります。面接官との対面式ではなく、コンピュータ端末を利用した録音形式で実施され、合否は「スピーキングテスト合格」として判定されます。英検5級の資格の認定は、一次試験の結果のみで行われます。
レベル(対象年齢・学年)
英検では、各級の対象年齢が公式に設けられているわけではありません。ただし、英検5級は英語の学習を始めて最初の目標となる級で、レベルはおよそ「中学初級程度」と設定されています。
中学1年生〜2年生で受験をすれば、学校で学んだ内容が身についているかを確認できるでしょう。また、就学前や小学校低学年から英語学習に取り組んでいる場合、もっと早期に受験することもおすすめです。早くから英語学習を始めている場合、学習進度にもよりますが、日常生活の簡単な話題について英語で理解できる小学3年生〜4年生での受験が良いでしょう。もちろん、お子様の英語力によってはより早期に受験したり、小学校5年生〜6年生になって実力がついたと感じてから受験したりするのも良い選択です。
合格率
英検協会は、2015年度における5級の合格率を81.9%と発表しています。81.9%は受験者5人のうち4人が合格できる計算です。なお、2016年以降の情報開示はありません。
お子様の英検受験を検討している方のなかには、「英語の試験に挑戦させたいけれど、5級に合格できるか不安」「万が一、合格できなかったら英語学習に対するやる気がなくなってしまうのではないか」と心配に感じている保護者の方もいるかもしれません。そのような場合は、英検5級の受験前に「英検Jr.」の受験を検討しても良いでしょう。英検Jr.は、オールリスニングであり、合否ではなく正答率で結果が表示される試験で、英検5級受験前の練習としても最適です。
単語数
英検5級の合格に必要とされる単語数は、およそ600語程度と言われています。ちなみに、平成24年4月以降の文部科学省の中学校学習指導要領では、中学1年生で学習する英単語を500語としています。そのため、中学校1年生程度の単語力をもっていれば、合格に近づけると考えて良いでしょう。
出題される単語としては、数字や天気、曜日や月のほか、”play”、”watch”、”listen”、”take” などの基本的な動詞、”mother”、”baseball”、”animal”、”letter” などの日常会話で頻繁に使用される名詞などがメインです。
英検5級の受験対策で行う勉強方法
ここからは、英検5級に合格するための勉強方法を紹介します。リーディング・リスニング・スピーキングの各分野を以下のステップで勉強を進めていくことで、効率的に合格に近づけるでしょう。受験されるお子様が小学生やそれ以下の場合、保護者の方がしっかりサポートしてあげましょう。
リーディングの勉強法
単語と基本文法を覚える
リーディング対策の第一歩は、基礎的な単語と英文法を理解・暗記することです。英文が単語と文法で構成されている以上、これらの理解と暗記は欠かせません。
単語の暗記方法は、過去問や公式問題集を解くなかで覚えたり、英検5級に相当するレベルの中学生向けの単語集を利用する方法などがあります。中でも、英検5級に特化した単語帳を利用することがおすすめです。過去問を分析したうえで、頻出単語がまとめられているため、効率的に合格に近づくことができるでしょう。なお、単語の暗記は一朝一夕にはできません。1日に覚える単語数やページ数を決め、単語暗記を毎日の習慣としましょう。
簡単な英文読解の練習を繰り返す
単語や文法の暗記と並行して、問題集や参考書を使用し、英文読解にも取り組んでみましょう。初めは短く簡単な英文を中心に、使用されている単語や文法、文構造などを丁寧に読み解いていきましょう。徐々に長く複雑な文章に取り組むことで、英文を読むことに対する抵抗感も薄くなるでしょう。
また、5級合格後により上級の取得を目指すためには、英文を一つずつ日本語訳するのではなく、英語を英語のまま理解するよう意識することも大切です。級が進むとより複雑で大量の文章で読み解く必要があり、逐語訳していては制限時間内に解き終えられません。
なお、英語を英語のまま理解するためには、大量の英文を読むことや、英文のお手本となる音声のすぐ後に続いて音読する「シャドーイング」という学習方法が効果的です。
過去問を解く
英検合格に欠かせないのが、試験の前に実際に過去問を解くことです。これは、リスニングも同じことが言えます。時間を計って、マークシートを用意して本番同様に取り組んでみましょう。
過去問に取り組むことで、試験形式に慣れることができるだけでなく、自分の苦手な分野を把握できます。苦手分野を把握してその分野に集中的に取り組むことで、効率的に合格に近づくことができるでしょう。
なお、過去問は公式サイトから無料でダウンロードすることも可能です。受験を決めたらまずは過去問に1度取り組んでみて、傾向と現時点での自身の実力を把握することをおすすめします。その後、週に1度、2週に1度など頻度を決め、定期的に何度も過去問に取り組みましょう。そうすることで、出題傾向や頻出単語を把握でき、上手に時間配分もできるようになります。
リスニングの勉強法
英語の聞き取り練習をする
リスニングの効果的な勉強方法は、毎日、継続的に英語の音声を聞き続けることです。音声教材やYouTubeなどを利用して、自分のレベルにあった英語を聞くことを習慣化しましょう。毎日英語を耳にすることで、英語に対する抵抗感もなくなります。
また、英語の音声を聞く際には実際に自分でも発音してみることも大切です。言語学習においては「正しく発音できれば、聞き取れる」と言われています。教材の音声を真似して音読することで、リスニング力を大きく伸ばすことができます。
なお、リスニング力やスピーキング力を向上させるには、リアルな英語に触れることも重要です。ネイティブの話すスピードの日常会話に慣れ、一方向ではなく双方向のコミュニケーションを取るためには、英会話教室を利用することも有効でしょう。
スピーキングの勉強法
トピックスを決めて伝える練習をする
英検5級のスピーキングは、問題文となる英文を音読し、イラストと英文を見ながら質問に答える形式です。英文は20語程度の短いものであり、質問は5W1Hの基本的な疑問文となっています。合格のためには、このような問題傾向を把握したうえで、質問に対して的確に回答できる練習を積み重ねることが大切です。
なお、英検の公式サイトでは、スピーキングテストの例題が紹介されています。また、スピーキングテストの流れを、アニメーションでわかりやすく解説した「バーチャルスピーキングテスト」も用意されているため、試験前に一度チェックしてみましょう。
録音で確認する
スピーキングの練習では、自分自身が話した英語を録音して、後から聞き返してみることも大切です。リーディングやリスニングでは過去問などを解いた後に答え合わせ・復習をする人がほとんどでしょう。しかし、スピーキングでは練習問題に取り組んでも、「解きっぱなし」になってしまうケースも少なくありません。
リーディング・リスニング同様、スピーキングでも復習することは重要です。スマホなどを使用して自分の回答を録音して、発音や表現を振り返ってみましょう。実際にスピーキングの問題に答えている最中は、「正しい単語・文法はどれか」「スムーズに答えなくては」と頭がいっぱいになってしまい、なかなか客観的に自分の発した英語を分析することが難しいでしょう。録音することで、自分の英語を客観視して改善点を見つけ出すことができます。
ただし、受験する年齢や受験時点での英語力によっては「録音しても、どこをどう改善すべきかよくわからない」といったケースもあるでしょう。そのような場合には、英会話教室を利用することが有効です。英語のプロに、文法・表現・発音などあらゆる観点から改善すべき点を的確に指導してもらえるため、効率的に総合的な英語力を伸ばせるでしょう。
合格に近づくポイント
ここまで、英検5級の概要や各セクションの対策方法について紹介してきました。英検5級合格には、まずは試験概要や問題傾向を把握し、過去問を解いたうえで自分の苦手な分野を集中的に対策することがポイントです。
英検は国内で最も知名度のある英語の試験のひとつであり、参考書や単語集なども数多く販売されているため、独学での合格も可能でしょう。ただし、より確実に、より効率的に合格に近づくためには、英会話教室の利用がおすすめです。英会話教室ではネイティブとの会話を通じてリスニングやスピーキングの練習ができるだけでなく、英検の傾向を熟知した講師が、生徒一人ひとりの実力を見たうえで、いつ、どんな学習をすべきかといった指導をしてくれます。
さらに、通っている英会話教室が英検の準会場として認定されている場合、慣れ親しんだ環境で試験に臨むことができるというメリットもあります。初めて訪れる会場での受験よりもリラックスでき、実力をしっかり発揮できるでしょう。
イングリッシュワールドの英文法(英検®)コースをご紹介します
お子様の英検5級の受験を検討している方の中には、「自宅学習で英検5級に合格できるか不安」と感じている方も多いかもしれません。特に、早期から英語学習を始めている場合だと、テストなどの機会も少ないため、実力も見えにくく心配になりますよね。
自信を持って英検に挑戦させたいとお考えの方には、イングリッシュワールドがおすすめです。イングリッシュワールドは、1クラス4名までの少人数制できめ細かく指導を行う英会話教室です。英検受験を目指すお子様向けの「英文法(英検®)コース」もあり、担任制で英検に詳しい担当講師がお子様一人ひとりの習熟度をしっかり把握したうえで指導をしています。
そのほか、学校が長期休みの時期に実施される「英検®集中講座」も用意しています。この講座はテキストを使用してじっくり学べることが特徴で、文法や語彙・イディオム、練習問題など出題範囲を網羅して基礎から丁寧に指導しています。ここで確実な知識を付けることで、今後上位級を目指す際の足掛かりにもなるでしょう。
さらに、集中講座で得た知識を実践で使えるようにする「英検®直前講座」では、過去問の頻出項目を丁寧に解説し、正答を導き出すコツを伝授します。試験の雰囲気にも慣れることも可能です。
最後に、「英検®二次試験(面接)対策」では、シミュレーション形式で本番と同様の面接を行い、合格に必要な力を身に付けます。状況に応じて最適なコースを選ぶことができるため、効果的に合格に近づけます。
お子様の英検受験をご検討中の方、英検の学習方法についてお悩みの方は、イングリッシュワールドへぜひお気軽にご相談ください。