英語力を測る試験・資格として最も有名な試験のひとつが、英検です。「英検は学生向けの試験」といったイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実は社会人にも取得のメリットが大きい資格です。
この記事では、英検を受けるメリットや、なぜ学生だけでなく、社会人も英検を受験すべきと言えるのかについて解説します。
目次
英検ってどんな試験なの?
英検の受験メリットについて詳しく見ていく前に、まずは英検とはどんな試験なのかについて簡単に振り返りましょう。
英検は、英語に関連する検定としては日本では最も歴史の長い試験です。正式名称は「実用英語技能検定」で、文部科学省の後援のもと、公益財団法人日本英語検定協会によって実施されます。
英語力を点数で評価するTOEICとは異なり、英検では学習レベルに応じて7つの級が設定されています。5級から1級までの英語レベルの大まかな目安は次の通りです。
- 英語初級:5級、4級、3級
- 英語中級:準2級、2級
- 英語上級:準1級、1級
英検における試験項目は、5級・4級はリーディングとリスニング、3級以上はそれにライティングとスピーキングも加わります。出題範囲も、日常生活で使える身近なトピックから、上級ではアカデミックな話題まで取り上げられるなど幅が広いです。このような特徴を持つことから、英検は英語に関する総合的な技能を身につけられる試験と言えます。
なお、 英検には年齢や職業・学歴などの受験資格は設定されていません。ただし、11歳未満の人が受験する場合は、保護者が受験上の案内や注意事項を確認のうえ、受験が可能かどうかを判断することが求められています。
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「学生」が英検を受けるメリット
英検は、5級が「中学初級程度」と設定されていることもあり、学生向けの試験と認識している人も少なくありません。しかし、総合的な英語力を測ることのできる英検は、学生のみだけでなく大人にとっても、受験するメリットがたくさんあります。
ここからは、英検受験のメリットについて、「学生」「社会人」に分けて解説します。まずは、学生が英検を受けることで得られる利点について見ていきましょう。
本格的に英語の学習が始まる前に、基礎を身につけられる【小学生】
小学生で英検を受験することには、中学校以降の本格的な英語の授業の開始に備え、基礎を身につけられるという利点があります。
小学3年生からの外国語活動が必修化されたとはいえ、細かな文法を学んだり、数多くの単語を覚えたりするのは、中学以降というケースが多いでしょう。中学校で初めて「試験科目のひとつ」として英語学習に本格的に取り組むと、覚えるべきことの多さに圧倒されて苦手意識を持ってしまうことも少なくありません。
しかし、小学生のうちから英検を通して少しずつ英語に関する知識を身につけておけば、中学校以降の英語の授業も抵抗感なく取り組める可能性が高いです。
受験の際に優遇措置が受けられる学校がある【小学生、中学生、高校生】
小学生・中学生・高校生に共通する英検受験のメリットとして、進学の際に優遇措置を受けられる可能性があることです。
例えば小学生・中学生であれば、英検で一定の級を取得していると、内申点への加点や英語の試験の免除などの優遇措置を受けられるケースがあります。
大学受験においても同様に、AO入試や学校推薦などで英検が出願資格や得点換算として活用されたり、取得級によっては共通テストが免除されたりします。さらに、大学や学部によっては、一定以上の級を持っていれば、入学後に英語科目の単位として認定されることもあります。
なお、英検は海外留学時の語学力証明資格にも認定されています。具体的には、アメリカやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどの約400の教育機関で英語力の証明として使うことができます。
公益財団法人日本英語検定協会:英検・TEAP・IELTS 活用校検索
進路の選択の幅が広がる【中学生、高校生、大学生】
中学生以上の学生が英検を受験するメリットとして、将来の選択肢の幅が広がることが挙げられます。
高い英語力は、受験で有利になるだけでなく、将来の進路や職業選択の幅を広げることにも繋がります。もちろん、英語力を伸ばすために必ずしも英検の受験が必要というわけではありません。しかし、英語の読み書きに加え、リスニングとスピーキングという4技能で合否が決まる英検は、総合的な英語力を伸ばしたい場合の良い目標となるでしょう。
また、就きたい職業によっては、英検を取得していることが直接的に有利に働くこともあります。例えば通訳ガイドの国家資格「通訳案内士試験」では、英検1級合格者は筆記試験の英語科目が免除となります。希望する職業で英検が英語力の証明として利用できる場合は、取得しておくべきと言えるでしょう。
「社会人」が英検を受けるメリット
このように、学生が英検を取得することにはさまざまなメリットがあります。しかし、英検取得でメリットを受けられるのは学生だけに限りません。ここからは、社会人が英検を受験するメリットについて見てみましょう。
就職・転職活動の際に有利になる可能性がある
1つ目のメリットは、就職活動や転職活動の際に有利になるケースがあることです。
グローバル化が進む現代では、あらゆる職業において英語力が求められるようになっています。通訳や観光ガイドなど、英語を使う仕事に就きたい場合は当然のこと、そうでない職業でも英語力を持った人材へのニーズは高まっています。このような状況での就職・転職活動では、一定級以上の英検を持っているとライバルに差をつけやすいでしょう。
ちなみに、就職や転職活動において、「履歴書には〇級以上でなければ記載してはいけない」といった決まりはありません。しかし、一般的には英語力のアピールとして記載できるのは、英検2級からと認識されていることが多いです。
英語学習のモチベーションが維持できる
2つ目のメリットは、英語学習のモチベーション維持に繋げられることです。
学校での定期テストや受験などがない社会人は、自分の英語力を数値として測る機会が少ないです。「英語力を伸ばしたい」と思って英語を学習していても、自分の成長が客観的に評価されなければ、やる気を持続させるのも難しいでしょう。「英検合格」という目標は、英語学習の良いモチベーションとなります。
また、英検は自分の学習方法が正しいかを判断するのにも有効です。特に独学で英語を学習している場合、客観的な評価の機会を持たないまま学習を続けていると、「効果の薄い勉強に時間を費やし続けてしまった」という事態に繋がるリスクもあります。英検を目標として学習を行い、合格という結果を得ることで、自分の学習方法にも自信を持てるでしょう。
「学生」「社会人」共通のメリット
続いては、英検を受ける全ての人に共通するメリットについて紹介します。点数ではなく級ごとに難易度が設定される英検は「総合的な英語力を段階的に伸ばしやすい」という特徴があります。詳しく見てみましょう。
英語力のステップアップに適している
1つ目は、英検は英語力のステップアップに最適であることです。
英検は、点数で英語力が評価されるTOEICと違い、級ごとに難易度や評価が変わる試験です。そのため、現状の自分の英語レベルに合わせた級から受験することができます。
また、漠然と「英語力を身につける」というのではなく、「英検◯級に受かる」といった目標を立てた方が、効率的に英語力を伸ばせる場合もあります。4技能を評価される英検合格を目標とすることで、自分に足りていない技能や知識が明確になります。
例えば受験の結果、面接の点数が足りなかったとすると、次はスピーキングを集中的に練習しますよね。このように自分の弱い部分を克服していく過程を経ることで、結果として総合的な英語力を身につけられるのです。
TOEICよりも英語の総合力を試せ、証明できる
2つ目は、TOEICよりも英語の総合力を試せ、証明できることです。
先述の通り、TOEICと英検の大きな違いは、TOEIC L&Rがリスニングとリーディングだけを測るテストであるのに対し、英検はリスニングとリーディングに加え、ライティング、スピーキングという4つのスキルを測定するテストであることです。
冒頭でお話しした通り、英語力を持った人材へのニーズは高まっています。しかし、「TOEICの点数は高いのに、英語を使えない人材が多い」という課題を抱えている企業も少なくありません。TOEICのスコア取得のみを目的に英語学習をしていても、スピーキングやライティングといった能力は身につきにくいためです。
しかし、4技能を満遍なく身につける必要のある英検であれば、このように「保有している資格と能力に乖離がある」という事態にはなりにくいでしょう。英検で上位の級を取得していれば、実務で使えるような、英語で話したり、文章を作成したりする能力があるという証明にもなるのです。
反対に「デメリット」はあるの?
最後に、英検を受験することにデメリットはあるのかということについて考えてみましょう。
結論から言えば、英検を受けることのデメリットは基本的にはありません。英語力を伸ばしたいと考えている人にとって、英語の総合的な技能を身につけられる英検受験で損することはないでしょう。
ただし、気をつけたいのが、英語学習の最終目的が「英検合格」にならないようにすることです。どの資格についても言えることですが、検定資格は資格そのものに価値があるのではなく、能力を持っていることの証明です。英検合格を英語学習の最終ゴールとして、「合格して終わり」とならないようにしましょう。
ポイントは、英検合格の「その先」
繰り返しになりますが、英語の4技能を測る英検は、英語学習の目標として最適な試験です。英検合格を目標に据えて勉強することで、結果として総合的な英語力を身につけることができるでしょう。
しかし、大切なのは合格後のその先です。英検に向けて勉強をしているとしても、常に「英語を使って何がしたいのか」ということは意識しておくべきです。英検はあくまでひとつのマイルストーンとして、自身の英語学習の最終的な目的を見据えて勉強しましょう。
イングリッシュワールドは「英検」にも対応しています!
ここまで、英検の特徴や受験メリットについて紹介してきました。英語の総合的な力を伸ばせる英検は、学生・社会人問わず、英語力を身につけたいと考えている全ての人におすすめできる試験です。
しかし、いざ英検に向けて学習を始めると、合格に向けてどのように勉強すべきかと悩んでしまうこともあるかもしれません。特に、ライティングやスピーキングの能力を伸ばしたいのであれば、英語のプロによる添削や面接練習が欠かせません。そのような場をお探しの方には、イングリッシュワールドが最適です。
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この記事を参考に、英語の総合的な技能を伸ばせる英検の受験をぜひ検討してみてください。