高校中級程度の英語力を証明できる英検準2級。英語教育の早期化が進んでいる現代では、高校生はもちろんのこと、中学生で挑戦する子も増えています。
この記事では、英検準2級の難易度や、中学生で準2級に挑戦するメリット、学習のコツなどを紹介していきます。今後、英検受験を検討しているお子様の保護者の方は、ぜひチェックしてください。
目次
【2024年】英検準2級の中学生の合格率とは?
中学生にとっての英検準2級の難易度を知りたいと思った際、最も気になるのがその合格率ですよね。しかし、英検を運営する日本英語検定協会は、2016年より合格率を非公開としています。そのため、2024年現在の正確な合格率を知ることはできません。
しかし、合格率が公表されていた時代のデータをもとに予測することは可能です。2015年までのデータによると、中学生も含めた全体の英検準2級の合格率は、一次試験で30%前後、二次試験は80%前後となっています。
この数字は、合格率が非公表となった後も大きく変化しないと予想できます。なぜなら、合格率が大幅に上下してしまうと、試験自体の難易度や資格の意義まで変わってきてしまうためです。
以下で、一次試験、二次試験それぞれの中学生の合格率を詳しく予測してみましょう。
1次試験の合格率予測
先述の通り、2015年までのデータによると、準2級の全体の一次試験の合格率は毎年30%前後です。
中学生が準2級に挑戦する場合、いきなり準2級を受けるのではなく、3級に合格してから挑戦するというケースが多いでしょう。すでに「中学卒業程度」とされる3級の英語力を持っている生徒が受験すると仮定するならば、準2級の合格も期待できるでしょう。
また、中学生で英検準2級に挑戦する場合、塾や英会話教室で英検対策を行っている人も多いです。英検対策に特化したレッスンなどを受けることで、中学生であっても合格率を大きく上げることができるでしょう。
ただし、そうは言っても英検準2級は「高校中級程度」の試験です。中学校の英語の授業では扱わないような高度な単語・文法などを知っていなければ解くことができません。そのため、やはり中学生の合格率は高校生以上の受験者に比べて低い可能性も考えられるでしょう。
上記のことから、中学生の一次試験合格率は全体の30%より若干低い、25〜30%程度と予測されます。
2次試験の合格率予測
続いては、二次試験の中学生の合格率について考えてみましょう。2015年までのデータによると、二次試験の全体の合格率は例年約80%となっています。
中学生の二次試験の合格率は、全体の合格率と大きな差はないか、あるいはやや高いと考えられます。その理由は、高校中級レベルの一次試験を突破した中学生は、学校での授業進度よりも速いスピードで英語学習を進めており、高い英語力を保有しているためです。二次試験の質問内容は、一次試験に合格できた人からすると難しいものではありません。そのため、十分な練習を積んでいれば合格は難しくないと言えます。
一次試験に合格した人の中には、塾や英会話教室に通っている人も多いでしょう。英検対策のコースなどがある塾などでは、二次試験の練習も行ってくれます。
もちろん、塾などを利用せずに独学で合格する生徒もいますが、そのような場合でも学校の先生が面接の練習をしてくれることが多くあります。このように、中学生は比較的、面接対策を行いやすい環境にあると言えます。そのため、二次試験の合格率は平均か、それよりやや高いと予測できます。
中学生が英検準2級に挑戦するメリット
高校中級程度とされる英検準2級。中学生のお子さんを持つ保護者の方の中には、「今、敢えて目指す必要はないのでは?」と受験を迷ってしまうこともあるかもしれません。確かに、英検準2級は決して簡単ではありません。しかし、中学生が英検準2級に挑戦し合格することで得られるメリットは数多くあります。詳しく見てみましょう。
英語力が大幅に向上
1つ目のメリットは、英語力を大きく向上させられることです。
中学生が英検準2級に挑戦する場合、高校英語を先取りして学習することになります。中学校での英語に余裕を持って取り組めることはもちろん、高校入学後も難化する英語の授業につまづ躓くことなく、得意科目として伸ばしていけることが期待できます。英語を先取りしておけば、入試や定期テストの際には、英語以外の科目に集中して取り組むこともできるでしょう。結果として、全体の成績を上げることにも繋げられるのです。
また、大学で理系・文系のどちらに進むにしても、英語は必須の科目となります。さらに、グローバル化が進んでいる現代では、どのような職業についても英語力が求められることが予想されます。つまり、英語ができるだけで、あらゆる業界で求められる人材になることが期待できます。このように、英語力を伸ばしておくことは、この先の将来の選択肢を広げることにも繋がります。
高校入試・大学入試で有利になる可能性も
2つ目のメリットは、高校入試や大学入試に有利に働く可能性があることです。
英検準2級取得者は、一部の高校で入試の際に優遇措置を受けられます。具体的な優遇内容や規定は学校によって異なりますが、内申点や学力試験の点数に加点されるケースが多くあります。また、英語の試験が免除されたり、一定の得点で英語の科目に合格認定されたりするなど、有利に受験することができます。
大学入試においても同様に、優遇措置を受けられる場合があります。具体的には、準2級を取得しておくことで公募推薦の資格を得られたり、英語の試験の得点に加算されたりといったケースがあります。
このように、中学生のうちに準2級を取得しておけば、高校・大学入試を有利に進められる可能性があります。例えば英語の試験が免除になれば、他の教科の対策に時間を割くこともできます。結果として、志望校合格の可能性を高められるでしょう。
自信と達成感を得られる
3つ目は、合格することで自信と達成感を得られることです。
中学生にとって英検準2級は、難易度の高い試験と言えます。合格するためには、英語を学ぶ意欲に加えて、努力や根気も必要になります。だからこそ、合格した際に得られる達成感は格別なものとなるでしょう。高校中級レベルとされる試験に中学生のうちに合格できれば、英語学習に対する自信がつき、さらに意欲的に英語に取り組めるようになることが期待できます。
また、英検は年に3度(※)しか受験チャンスのない試験です。中学生のうちに受かるには、「◯月の試験で準2級に受かる」といった目標を立てて、それに向けて単語の暗記や文法の理解、長文を読む練習、過去問の分析など継続的な日々の努力が必要となります。このような目標に向かって努力をする体験は、この先の高校入試や大学入試はもちろんのこと、他のあらゆる資格試験でも応用できるでしょう。
※:「英検S-CBT」では、同一級の受験は年に2回までとされています。
英検準2級の効率的な学習方法
学校や塾の宿題や部活動などで忙しい中学生。学校の勉強や課外活動と並行して英検準2級に挑戦し合格するためには、効率的に学習を進めていく必要があります。ここからは、英検準2級に合格するための学習方法について紹介します。
単語帳を使った学習
英検合格に欠かせないのが、単語の暗記です。英検準2級では、約3,000語の単語が必要とされています。毎日、覚える量を決めてコツコツと継続的に単語を覚えましょう。
単語暗記には、英検専用の単語帳を利用することがおすすめです。専用の単語集は過去問を緻密に分析した上で作られており、頻出の単語から順に暗記できるため、効率的に合格へ近づくことができるからです。単語帳の利用に加えて、過去問や予想問題集を解いた際にわからなかった単語を別途メモして覚えていくと、さらに単語力を高められます。
単語を暗記する際には、ただ英単語とその和訳を覚えるだけでなく、その単語が使用されている短い例文を丸ごと覚えると効果的です。そうすることで、どのように使われる単語かまで覚えられる上、記憶にも定着しやすくなります。
過去問演習
過去問や予想問題集を使用した演習も、英検準2級の合格には不可欠です。実際に過去問を解くことで、試験形式や出題傾向を正確に知ることができるためです。
「過去問に取り組むのは、学習が進んでからにしよう」と考える人も多いかもしれません。しかし、英検準2級の受験を決めたらすぐに1度、過去問を解いてみることをおすすめします。そうすることで、問題の傾向を把握できる上、自分の苦手な分野が明らかになり、そこを重点的に対策していくことができるからです。
その後も、1週間あるいは2週間に1度など、頻度を決めて定期的に過去問に取り組むこともおすすめです。何度も過去問に取り組むことで、時間配分や解き方のコツも掴めてきます。なお、過去問に取り組む際には、マークシートを用意して、時間を測って本番と同じ環境で解くようにしましょう。
リスニング・ライティング・スピーキング対策
ここからは、リスニングとライティング、そして二次試験のスピーキングの効果的な対策方法について解説していきます。それぞれ、試験内容や傾向をよく把握した上で受験することが合格への重要なポイントです。詳しくみてみましょう。
リスニング対策
英検準2級のリスニングは、以下の3つの大問で構成されています。
- 大問1:会話の応答文選択
- 大問2:会話の内容一致選択
- 大問3:文の内容一致選択
どの問題も、英語話者同士の会話やアナウンスを正確に聞き取ることが求められます。ネイティブの話す英語の速度に慣れ、理解できるようになるためには、日常的に英語の音声を聞くことが有効です。英語のリスニングを習慣化するには、YouTubeやテレビドラマなど、興味のあるコンテンツを利用すると良いでしょう。
同時に、公式問題集や過去問を解いて問題に慣れることも大切です。答え合わせの際には、ただスクリプトを読みながら音声を聞くだけではなく、問題の音声を実際に音読しましょう。言語学習では「発音できる音は聞き取れる」と言われています。真似して音読することで、リスニング力が飛躍的に向上するのです。
ライティング対策
英検準2級のライティングは、以下の2つの大問で構成されています。
- Eメール
- 英作文(意見論述)
Eメール問題は、2024年度の試験から新たに追加されたものです。相手のEメールにある質問にわかりやすく答えること、相手のEメール文中の下線部について2つの質問を作成することが求められます。
英作文(意見論述)では、質問の答えとなる⾃分の意⾒と、その理由2つを述べることが求められます。パラグラフの型を覚えてしまい、それに沿った作文の練習を行うのも効果的です。
なお、英作文は必ず添削してもらうようにしましょう。「書いて終わり」になってしまうと、誤った文法や文構造を使い続けてしまうリスクがあります。身近に添削してくれる人が見つからない場合は、英会話教室などを利用するのも有効です。
スピーキング対策
二次試験のスピーキングでは、面接官と直接、英語で会話を行います。具体的には、文章とイラストが書かれた紙を見ながら、音読をしたり質問に答えたりします。
スピーキング対策としては、やはり実際に面接の練習を行うことが最も有効です。英語で話す練習を重ねることで、英会話に対する抵抗感、緊張感を減らすことができます。学校や英会話教室の先生に面接官役をしてもらい、本番と同様の流れで質疑応答の練習をしましょう。
なお、英検の公式サイトでは具体的な試験の流れを確認できる「英検バーチャル二次試験」というコンテンツが用意されています。ぜひ、本番前に一度チェックしてみましょう。
最も効果的・効率的に学習したい場合は英会話教室の利用がおすすめ
ここまで紹介してきた通り、ポイントを押さえながら学習を進めていけば、中学生でも英検準2級に合格することは可能です。しかし、学校で習っていない文法などを独学で習得していくことは決して簡単ではありません。また、日々の生活が忙しい中で無理のない学習計画を立てて、それに沿ってしっかりと毎日学習を進めるのが難しいという人もいるでしょう。
そのような場合には、英会話教室でプロのサポートを受けることがおすすめです。英検受験に対応したスクールであれば、ライティングの添削やスピーキング練習を行ってくれることはもちろん、問題の解き方のコツや時間配分まで指導してくれる場合もあります。
さらに、英会話学校の中には英検の「準会場」に指定されている教室もあります。準会場指定の教室で勉強を進められれば、本番も慣れ親しんだ環境での受験が叶うため、リラックスでき、いつもの実力を発揮しやすくなります。
英会話教室のイングリッシュワールドは徹底したサポート体制が魅力!
中学生のお子様の英検対策として英会話学校の利用を考えている方には、イングリッシュワールドがおすすめです。イングリッシュワールドは、英検対策専用のコースを用意している英会話教室です。
ネイティブ講師と日本人バイリンガル講師のダブルサポートが魅力で、ネイティブの発音に常に触れながら丁寧に理解を進めていくことで、着実に実力を磨くことができます。2022年度第2回~2023年度第1回の英検®合格者総数は2,955 名、準1・2・準2級の合格者は704 名を誇ります。中には、中学生で英検1級に合格した生徒もいます。
もちろん、英検の準会場にも指定されているため、いつもの教室で試験本番を迎えることも可能です。
また、イングリッシュワールドでは英検コースの他にも、年齢に応じた多様なコースもご用意しています。どのコースでも、基本的にレッスンは担任制で、担当講師が生徒一人ひとりの習熟度を把握し、きめ細やかな指導を行っています。
英検準2級は、適切な学習環境で効率的に対策に取り組むことができれば、中学生での合格も夢ではありません。この記事を参考にぜひ学習を進めてみてください。